Classici giapponesi con furigana
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
Leggi 犬田卯短編集二 (いちろうじん) di 犬田 卯 (いぬたしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.383 caratteri · 103 schermate
それにしても一面、儀作はまだその頃年も若く、ありあまるエネルギーが体内にこもっていた。で、まだ山仕事の出来るくらいだった亡父と話し合った。
「東京の方では、この寒さにまだ寝るところも出来なくて、バラックとかちうものへ入っているんだそうだからよ、それを思うと五十円やそこら寄付でもしたつもりになるさ。なアに、たった五十円だい、四五年みっちり働けば、それできれいに抜けっちまア……」
だが、抜けるどころか、一年ならずして親父には死なれ、待望の米価は、ことに浜口緊縮内閣の出現によって一俵七円に下り、繭のごときは一貫二円という大下落で、この地方の重要産物である木炭のごときも四貫俵三十銭、二十五銭になってしまい、かつて儀作の副業……農閑期の馬車挽など、賃銀は下るばかりでなく、どんなに探し廻っても仕事の得られない日さえあるようになった。
その上彼一家には不幸が連続した。前述のように、親父の中風、死に続いて、おふくろが気がおかしくなって前の谷川の淵に落ちて半死のまま引き上げられたり、次には女房が四番目の子を産んで以来、まるで青瓢箪のようにふくれてしまい、ずっとぶらぶらのしつづけである。