Classici giapponesi con furigana
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
Leggi 犬田卯短編集二 (いちろうじん) di 犬田 卯 (いぬたしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.383 caratteri · 103 schermate
若いものはみんなああして次ぎつぎに戦地へ出て行く。戦地へ行けない男女老若といえども、それぞれ自分の職に励んで、幾分たりとも国のために尽している。しかるに自分は……」
そう言ってやはり泣き出したという。ある家へ行っては、「自分は失職しない前、砲兵工廠につとめて、何とかいう大佐から感状をいただいたこともある。しかるに現在は、安心しておれる家とてもなく、娘などから金をもらって辛うじて生きている。こんな不本意なことはない」といって、またしても泣き出してしまったという。
ある家では、親切のつもりで、酒なんかあまりやらぬがいい、酒を過ごすと頭も変になる……と忠告すると、ぷりぷり怒って、「第一、酒なんかやる気になれるか、現在を何と思う。俺は昨日娘からまた金をもらったが、これ、この通り一文も手をつけねえで持っている。俺のことを金がなくて気狂いになったなんていう奴もあるというが、俺は、そんな男じゃねえ、見損ってもらうめえ……」
そして蹴とばすように出て行ったとか。
「ますます変だ」と村人は噂し出した。
近所を歩いたという日、老爺は私の家へも立ち寄った。訪う声がするので起ち上りかけると、「奥さんはお留守ですか」