Classici giapponesi con furigana
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
Leggi 犬田卯短編集二 (いちろうじん) di 犬田 卯 (いぬたしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.383 caratteri · 103 schermate
ところで「何とかうまく口実をつけて行かなけりゃそれまでだ。」
と夫の作造はのんきに構えこんだのだが、女房は――家付娘としてこの村の習慣に骨の髄まで囚われてしまっているお島としては、隣同士で招んでも来なかった、とあとでかげぐちをきかれるのが、死ぬほど辛かったのである。
炉辺に投げ出してある夫の財布を倒まにして見たが、出て来たのは紙屑のもみくしゃになったものばかりだった。「お前ら、三十銭ばかりも持っていねえのか、よく、それで煙草ばかりは切らさねえな。」
「煙草がなくちゃア頭がぼんやりして仕事も出来っかい。」
「どうせぼんやりした頭だねえのか、はア招ばれるのは分っていたんだから、一日二日煙草やめてでも用意して置かねえっちう法あっか。早く何とかしてこしらえて来てくろ。」
そして、陽が照り出したので、おんぶしていた二歳になる子供を下ろして蓆の上で遊ばせ、自分では、学校へ行っている長男が夜警のとき寒くて風邪をひくからというので、ぼろ綿人の俄か繕いをはじめたのであるが、夫ほいっかな炉辺をはなれようとしない。
「どうするんだかよ」と再び彼女は突慳貪にどなった。「隣り近所の義理欠けっちう肚なのかよ。