Classici giapponesi con furigana
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きょうかしあかちょこべえ
狂歌師赤猪口兵衛
夢野 久作
Leggi 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.418 caratteri · 79 schermate
「……ど……どうぞ御容赦を……良助めが今日までの御奉公に代えましてあの猪口兵衛の生命を手前共にお預け下されますれば有難き仕合わせ……あの猪口兵衛めは、まだ使い道が御座いますれば……このたびの蔵元屋騒動の下手人もどうやら存じておるらしく存じますれば、只今お斬り棄てになりましては如何かと存じまする。その代りにこの両三日のうちにはキット下手人を探り出いてお眼にかけまする私の所存……何卒……何卒御容赦を……」
松倉十内は、何か思い直したように切柄をかけた白鞘の脇差から手を離した。
「……か……勝手にせい」
と言い棄てると額に青筋を立てたまま座敷に入って障子をハタを閉めた。
表の往来で耳を澄ましていた赤猪口兵衛が、赤い舌をペロリと出した。懐中から浅黄地に白の唐草模様の大きな風呂敷を一枚引っぱり出して、両手で高々と吊し拡げた。それは処々に灰色の薄汚れの付いた、夜具か何かを包む風呂敷らしかったが、その中央の折目に近い処に付いている真黒い血の塊の痕跡と、一目でわかる片隅の刃の血糊を拭いた痕跡と、処々に粘り付いている長い髪毛を見まわすと、今一度赤い唇をペロリと出して、大切そうに折り畳んで、懐中の奥に仕舞い込んだ。