Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうかしあかちょこべえ

狂歌師赤猪口兵衛

夢野 久作

Leggi 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.418 caratteri · 79 schermate

Aozora Bunko

……また……これ程の親孝行な娘御の行末がお幸福にならねば、この猪口兵衛が天道様に対して相済まぬ。お宅様のようなお固い処へ縁付いて万事、円満く行かぬ筈はない……と見込みを付けましたのが猪口兵衛の一生の出来損い。親の因果が子に報いるとはこの事。因果の力ばっかりは、何処からどうめぐって参りますやら……」

「……そ……それならば、お熊さんが斬られたのも御両親のため……」

「斬られたのでは御座いません。継母のために毒殺されなさったので御座りまする」

「……………」

半三郎は無言のまま顔を上げた。キッパリと言い切った赤猪口兵衛の顔を凝視めて屹となった。どうやら不審が晴れかかったらしい。涙も何も乾いてしまって、男らしい、若々しい理知を眼の内に輝かしながら唇を噛んだ。

「お熊さんの振るカラクリ骰子が、どうやら本職の博奕打の眼に掛かって来たと思うと、一身一家の破滅を恐れた継母が惜し気もなく毒薬を粥に交ぜて殺いたもので、大事な御縁談、金の蔓の一人娘も、背に腹は代えられぬとは申せ、最初からその覚悟でお熊さんを育てたもので御座いましょうか。あのお熊さんの屍骸の口の中に在った黒い血の塊の中に、青紫色のお粥の粒が混じっておりましたのが何よりの証拠……」