Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Leggi 猟奇の果 (りょうきのはて) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 134.971 caratteri · 270 schermate
愛之助己が妻を尾行して怪屋に至ること
「じゃ、そうしておとなしくしているんですよ。さよなら」
幽霊男は云い捨てて、部屋を飛出すと、バタンとドアをしめて、外からカチカチと錠前をおろしてしまった。
愛之助は板の間に転がったまま、余りの出来事に考えを纏める力も失って、暫くは茫然としていた。幽霊男がこんなひどい人殺しだとは想像もしなかった。第一に九段坂のスリ、次は赤い部屋の奇怪な遊戯、鶴舞公園の不倫な私語、悪人には相違ないと思ったけれど、まさかこれ程の極悪人とは思わなんだ。品川四郎が嘗つて、どんな大陰謀を企らんでいるかも知れぬと、恐れ戦いたのは、考えて見ると決して杞憂ではなかった。
愛之助己が妻を尾行して怪屋に至ること
愛之助は怪屋の一室で夜を明かした。そして結局警察官に救い出されるまでのいきさつは、詳しく書いても一向面白くないことだから、極く簡単にかたづけると、
扉に鍵をかけて悪魔が立去ったあとには、暗闇と静寂の長い長い時があったばかりだ。愛之助はそこの板張りの床にへたばって、烈しい恐怖に震え、あらゆる妄想にさいなまれた。その中で最も際立っていたのは、天井からポトポトと何かの滴り落ちる幻聴であった。