Classici giapponesi con furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Leggi 猟奇の果 (りょうきのはて) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 134.971 caratteri · 270 schermate
「不幸にして、僕はそれを信じることが出来ません。併し、あらゆる事情、あらゆる論理が、その唯一の人を指しています」
「君は、本気で云っているのですか」
「本気です。軽蔑して下さい。僕はこの明々白々な理論を肯定する勇気がないのです。そこには、人間力の及ばない不思議な力がある。この力が何物であるかをつきとめ得ない以上は、僕は無力です」
明智は訳の分らぬことを云って、不甲斐なくも渋面を作った。口惜しさに今にも泣き出そうとする子供の表情だ。
「君はどうかしたのじゃありませんか。何を云われるのか少しも分らん」
宮崎氏は、皮肉な微笑を浮べて、この有名な素人探偵の苦境を見下した。
「だが、僕は、この不可思議力の本体をつき止めないでは置きません。その上で、あなたの前に頭を下げて今日の無礼を謝するか、それとも、宮崎常右衛門氏に縄をかけて、断頭台に送るか」
常右衛門氏はこの暴言を黙って聞いていたが、明智には答えないで、呼鈴を押して、書生を呼んだ。そして、書生の青山が這入って来たのを見ると、
「この気違いを叩き出すのだ」
と命じた。
「明智先生をですか」
「そうだ。この人は気が狂ったのだ。