Classici giapponesi con furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Leggi 猟奇の果 (りょうきのはて) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 134.971 caratteri · 270 schermate
墓場みたいなカフェである。その癖、暖房の装置はあるのか、ホンノリと暖か味が通って不愉快な程寒くはない。
青木は、大声に給仕を呼ぶのも野暮だと思ったので、先ず椅子につく為に、片隅の鉢植の葉蔭へ這入って行った。そしてドッカリ腰をおろした時、彼は意外にも、その同じテーブルに一人の先客がいることを発見した。薄暗い中でも薄暗い、部屋の隅っこだったのと、その客が非常に静かにしていたので、つい気附かなんだのである。
「失礼」と云って席を換えようとすると、その客は「イヤ、どうかその儘。僕も丁度相手がほしくっていた所ですから」と手でとめるのだ。見ると、中年の洋服紳士で、どことなく人懐っこい男である。それに中々凝った仕立ての、安くない服を着ている。青木はブルジョアの癖として、そんなもので相手の身分を想像し、安心して彼のお相手をする気になった。
やがて、いないと思った給仕が、どこからか影の様に現れて、注文の品々を運んで来た。決してまずい料理ではない。酒も上等のものが揃っている。そこへ持って来て、人懐っこい話相手。愛之助はすっかり上機嫌になってしまった。
「居心地の悪くない家ですね」