Classici giapponesi con furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Leggi 猟奇の果 (りょうきのはて) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 134.971 caratteri · 270 schermate
しかも、相手の奥さんというのが、顔かたちはハッキリ見えなかったけれど、声の調子が、どうやら聞き覚えがあった。「若しや」と思うと、青木はもう真蒼になって、その実否を確める為に、我家へ走り出さずにいられなかった。
だが、彼の美しい細君は、別に変った様子もなく、にこやかに彼を迎えた。玄関を這入って、外套などをかけてある小さなホールで、ドキドキして立止っていると、一方のドアが開いて、サッと明るい電燈が漏れて、そこから芳江の小さい恰好のいい頭が覗いた。
「アラ、どうかなすって」
寧ろ彼女の方で、彼の変に蒼ざめた様子を疑った程である。
青木は黙って部屋に這入るとソファに埋まった。
彼は月々の東京行きに、三度に一度位の割合で細君を同伴しているので、細君と品川とは冗談を云い合う程の間柄になっている。品川の方で名古屋の彼の住居を訪ねたことも二三度はある。だから、もう一人の品川四郎がそれを利用して、つまり旧知の品川四郎として、芳江に近づき、彼女をある深みに陥れたというのは、想像されないことではない。
細君のことだから、彼にしてはもう不感状態になっているけれど、一般的に、彼女は充分美人であった。