Classici giapponesi con furigana
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ねことしょうぞうとふたりのおんな
猫と庄造と二人のおんな
谷崎 潤一郎
Leggi 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.020 caratteri · 131 schermate
ほんとうに、人間の運命云うものいつ誰がどうなるか神様より外知る者はありませんのに、他人の幸福を羨んだり憎んだりするなんて馬鹿げてますわねえ。
私がなんぼ無教育な女でも直接貴女に手紙上げたら失礼なことぐらい心得てますのよ、それかてこの事は塚本さんからたびたび云うて貰いましたけど、あの人どうしても聞き入れてくれませんので、今は貴女にお願いするより手段ないようになりましたの。でもこう云うたら何やたいそうむずかしいお願いするように聞えますけど、決して決してそんな面倒なことではありません。私あなたの家庭から唯一つだけ頂きたいものがあるのです。と云うたからとて、勿論貴女のあの人を返せと云うのではありません。実はもっともっと下らないもの、つまらないもの、………リリーちゃんがほしいのです。塚本さんの話では、あの人はリリーなんぞくれてやってもよいのだけれど、福子さんが離すのいやや云うてなさると云うのです、ねえ福子さん、それ本当でしょうか? たった一つの私の望み、貴女が邪魔してらっしゃるのでしょうか。福子さんどうぞ考えて下さい私は自分の命よりも大切な人を、………いいえ、そればかりか、あの人と作っていた楽しい家庭のすべてのものを、残らず貴女にお譲りしたのです。