Classici giapponesi con furigana
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ねことしょうぞうとふたりのおんな
猫と庄造と二人のおんな
谷崎 潤一郎
Leggi 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.020 caratteri · 131 schermate
リリーが逃げて行ってから、当日の晩も、その明くる晩も、又その明くる晩も、品子は安心して寝られるどころか、さっぱり眠れないようになってしまった。いったい彼女は癇性のせいか、二十六と云う歳のわりには眼ざとい方で、下女奉公をしていた時代から、どうかすると寝られない癖があったものだが、今度もこの二階に引き移ってから、多分寝所の変ったのが原因であろう、殆ど正味三四時間しか寝ない晩が長い間つづいていて、ようよう十日ばかり前から少し寝られるようになりかけた所だったのである。それがあの晩から、又眠れなくなったのはどうしてか知らん? 彼女は詰めて仕事をすると、直きに肩が凝って来たり興奮したりするのであるが、この間からリリーのためにおくれていたのを取り返そうとして、余り縫い物に熱中し過ぎたせいか知らん? それに元来が冷え性なので、まだ十月の初めだと云うのにそろそろ足が冷えて来て、布団へ這入っても容易に温もらないのである。彼女は夫に疎んぜられたそのそもそものキッカケを、ふと想い出して来るのであるが、それも今から考えれば、全く自分の冷え性から起ったことなのであった。ひどく寝つきのいい庄造は、布団へ這入って五分もすれば眠ってしまうのに、そこへ突然氷のような足に触られて、起されてしまうのがたまらないから、お前はそっちで寝てくれろと