Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 174.521 caratteri · 344 schermate

Aozora Bunko

きのうも陶器関係の用事で人出入り多く、今日も又大ガタガタつづきですが、さっき※が来て、土間の荷物をみんな運び出したからこれで一安心でした。いいアンバイに国男がまだいて、防空壕の左官もいて、わたしは手をかけずすみましたから、よかったわ。

十日のお手紙けさ頂きました。早くついてうれしいこと。早くついたばかりでなく、うれしいお手紙でした。これへの御返事はゆっくりしたときこころもちよく書きたいわ、今は、あっちこっちで人声がガヤガヤして、まるで新聞社のどこかで書いているようなんですもの。しかしこんなに疲れているのに、わたしはこの頃誰にでも元気そうだ、と云われるのよ。何が原因でしょう、あなたのお手紙に、夏の頃より元気らしいとあるので、又思いめぐらすこころもちです。それは夏に負けた体だから涼しいのがいいに相異ないけれど、ひとの元気というものは根源の深いものではないでしょうか、わたしはそう思うわ、血気の元気は自然の年齢で鎮められてしまいますが、年を越え、肉体の疲れにかかわらず、猶、焔のようにその人を輝す元気があるなら、それは、内なる灯で、その灯の油こそ実に実に、ただごとで、そこに充たされてあるのではないのです。