Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 174.521 caratteri · 344 schermate

Aozora Bunko

そして、手が痛い痛いし。水仕事で荒れ切ってしまって。

あなたのおなか呉々もお大事に。国はどういう加減か、ずっと腹工合がまともでない由です。食物のせいでしょうか。熱がお出にならないのは何よりだと思います。すこし暇になり、おっしゃるように読みたいものもお読みになり、お休めにならなくてはいけません。あいにく夜目をさますことが殖えてしまっていけないけれども。きのうあたりは、少し休めたようなお顔に見えましたが、いかがでしたろう。ブランカは、あれからおひるをすまして四時ごろまで眠ってしまいました。

『風に散る』第三巻はまだでしょうか。最後の一行を読終りになったとき、わきにいたら、きっと、ホラ、ね? というでしょう、あれは不思議な小説ですね。ミッチェルさんが、もうあのあと作品は書きません、と云ったのは正直に心持を現した言葉だと思います。あれだけ大規模で、あれだけディテールに充ちた小説の最後の一行が、あんなに力なく云いわけめいているというのは一つの特色です。作者の人生一杯のところへ、あの作品が行きついてしまっていて、抜けちまった感じ。もう、これっきりという感じ。文句の上では明日という日を期待していますが、気魄において、内部世界の現実において、もうこれっきり、というところがむき出されています。