Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 174.521 caratteri · 344 schermate

Aozora Bunko

だから、何とも云えず空虚です。その、もう、おしまいという感じの空虚さは読者のこころを一種の恐怖でうちます。バトラーという男を第二巻まで作者は力一杯に活躍させましたが、第三巻に至るとバトラーは極めて気の毒なことになって、あれ丈の人間熱量――情熱は、全体として全く浪費されたということになって、スカーレットの本能的な生存力の無意味な波うちとともに、本当に風とともに散り去ってしまった、という形です。作者の人生展望の大さがあの作品と共にギリギリのところまで消費されて、もう次の作品を生むだけの懐疑も理想も現実探求も、あの作者にはあのままではのこされていないようです。もし第二作をかくとすれば、真実の作品たるためには、作者その人の人生が一進展しなければなりません。新たな精神的蓄積がなくてはならず、それは作者自身の人生の見直しでなければならず、しかもバトラーをああ描けた作者、スカーレットをああ描けた作者は、女に珍しいリアリストだけに、逆に自分の人生に対してバトラー流の目をもっているでしょうから、少くとも当分自分の周囲をどう変えるという人柄ではなさそうです。

大きい作品であって、そういう意味では小さい作品だと思われるところが、あれの独得な点ではないでしょうか。