Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 174.521 caratteri · 344 schermate
あら、こうしてみると、この木目は奇麗なのね、という風にありとうございますね。少くとも桜ぐらいの木目の堅さ品位、つやをもってね。ベニヤのなまくらのはり合わせがふくれてガタガタのブヨブヨというようなのは御免です。
この間のお手紙に万葉歌人の春の湖の舟遊についてかかれて居りました。霞をわけて、一つ一つと新しい景観にふれてゆく新鮮さは、日本の春独特の美しさでしょうね。北欧には秋の霧の哀愁ある美がありますけれど。
この間、それとは別ですが、短い詩で「丘かげの泉」というのがありました。どこか連関あるような感情の詩で、それは狩人と泉の物語りでした。狩人が、獲物を追って足早く丘をのぼって来ました。ゆるやかな丘の斜面のどこかに、小さい獣はひそんでいます、やがてカサとかコソとか葉を鳴らすでしょう、待つ間に狩人は喉の渇をいやそうと、精気美しい眼をうごかしてあたりに耳を澄せつつ湧き水のありかを求めました。どこかで淙々とした水の音がするらしいのに、目にふれるかぎりの叢に泉は見当りません、狩人は若々しい額の汗を手の甲で拭い、何となし逸っている生きもののような眼つきをします。