Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.583 caratteri · 240 schermate
凍っても生きている花の美しさがあるし、詩の生れ難いほどの凍結のきびしさを縫って、猶点綴する花飾りが想われますし。ことしの冬は、氷垂のなかにこめられた指頭花ですね。そこに独特の可憐さもございます。
二月三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
二月三日
氷のとける雪というものもありますね、初春らしいこと。氷ってしまって困っていた水道が雪で出るようになりました。これで喉をわるくしていた人もましになりましょう。でもきょうの風はさむいこと! 真北で。二十八日以来、風向きに気がつくようになりました、西北だったからこそ助ったのでしたから。焼跡の雪景というものは独得な眺めです。
きょうの帰り、北風特に身にしみたのは、あなたの「もう駄目だね」が相当きいていたのだろうと思われます。駄目だね、はこれ迄も頻りに伺いましたが、もう、というのは耳新しいわ。たった二字ですが。御自分で気づかず仰云ったのでしょうね、気づかずおっしゃった二言に、どんな真実があるのでしょうね。でもマア気にいたしますまい。自分で自分をはげまして、もう、でも、そろそろでも到頭でもいいことにしておきましょう。