Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.453 caratteri · 101 schermate
私はうれしくてこのハガキをかきます。
八月十八日夕 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
八月十六日(第六信)
夜中。時間がよく分らない。
私の例の時計は、このごろよく居睡りをしますので。――
こんなにおそく話をするのは、この頃私は実に実に勉強をしていて、今五十枚ばかりペシコフ爺さん[自注14]の少年時代について書き終り、まだ興奮がさめず、何か書きたいからです。
たあ坊・健造たちは保田の月六円の家へ両親とゆきました。太郎は咲枝ちゃんと安積。スエ子はこの三日間ばかり信州八ヶ嶽の麓の小海線という高原列車の沿線へ行き美しく日にやけてかえりました。私は家でギューギュー。そして、貴方にきょう「太陽」という題でヴォルフ博士がライカ・カメラで撮った海陸写真集をお送りいたします。
もう涼風が立ってからこのようなものを送るのを御免なさい。私も秋になってからもし事情が許したら少し休養して来るつもりだから。二人のところに、今年の夏の休暇は時おくれなのです。
お体は朝夕しのぎよくなりましたか? 食欲はお出になりますか。あしたあたりお手紙が来るのではないかと思います。