Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.810 caratteri · 225 schermate
六月にケンサならまだ間があります。
あなたが中学の一年生だったとき、よくつれ立って通った中村さんという人が戦死されました由。河村さん[自注18]のところでは夜業つづき。島田から四十二人一時に出て、総体では七八十人の由です。野原からかえったらこのつづきをまたかきます。おお眠い。けさは十時まで眠ったのにあたりが静かで、気がのんびりするものだから、眠い眠い。つかれがでてきてしまったのです。きっと。
きょうは十一日。小春日和。
きのう野原からは夜八時半頃かえりました。皆よろこんでいて、くれぐれあなたによろしくとのことでした。今あの家には小母さんと冨美ちゃんと河村さん(小母さんの弟さん)とその姪という方とです。河村さんは下松の方につとめ口が出来て、あっちに家が見つかり次第ゆく由。下松は借家払底で、一畳一円で家がないそうです。河村さん、あなたのお体について心配していました。くれぐれもお大事にと。
野原の小母さんは家がのこるので本当におよろこびです。私たちもよかったと思います。小母さん曰く、いつか二人でかえって来てくれてもとめるところがあってうれしい、と。ハモの御馳走になったりしてお墓詣りをして、かえりに切符をかって来たら、お母さん、もし都合がついたら琴平さん[自注19]へ詣でて来たいというお話です。