Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 374.755 caratteri · 745 schermate

Aozora Bunko

と云い、しばらく手をにぎって話していてかえりました。それが七時。お産の間の時間は何と経つのが早いでしょう! びっくりしました。仕事している夜とお産とは、早く夜が経つこと。

私たちの祝福が、特別きのうは咲枝にまできいたのかもしれないと、ひとり思ってうれし笑いいたしました。七時ではこの頃円タクなし。タクシーをやとってかえって来て、玉子二つたべて十二時まで熟睡しました。どうかあなたも御安心下さい。よかったわね。これは本当の安産でした。可愛い女の子よ。家のしるしで、やっぱりくっきりと唇の絵こういう山形の上唇をして。体重は七百六十匁。すこし軽めです。けれども実に張りきった声で音吐朗々と啼き、男の子のような勢です。可愛いこと! 小さい小さい顔よ。鼻の頭すこし擦れて、短時間に生れたから楽でね、息づかいも柔らかに赤いふとんかけている。夜あけの町の物音、つゆにぬれているプラタナスの葉っぱの色。自動車ひろいに出たらまだ閉っている店の前に咲いていた一輪の朝顔、みんな新鮮で。何だかすこし涙っぽいような心持でした。太郎のときはこの味知りません。上落合の家で、父が「オトコノコアンザン」