Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 374.755 caratteri · 745 schermate

Aozora Bunko

ではお大切に。

九月一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

九月一日  第八十四信?

二三日又相当あつい日がつづきました。大体三〇度以上。御気分いかが? お疲れになりはしまいかとすこし気がかりですが。このところ致しかたありませんね。それにしても、どうぞ益※(二の字点、1-2-22)お大切に。

昨日は、朝、日比谷へゆきがけに、お話の弁護士のところを訪ねました。承諾いたしました。それについてはお目にかかりまして。小さい男の子がポロポロとこぼれるように玄関に出て来て、ニコニコして面白うございました。三十五六歳の人です。或はもう少し若いか。

それから日比谷へ行く途中、気象台の下のところ、竹橋の角で、大体あすこは事故の多いところですが、木材をしこたま積んだトラックが、自転車にのった人ぐるみすっかり轢いてしまって菰をかけてあるのを見て通ったら、段々妙な気分になって、手の平が白くなって、フラフラしました。脳貧血がおこったのね。朝日がさしている広い往来の両側にどっさり自動車が止って、皆黙って見ている。白服がどっさり来ている。白オートバイ(ケイ視庁の)が来ている。