Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.557 caratteri · 426 schermate
そう感じながら、こちらで坐っていると、光の音と心の内にある声とが互に溶けあって私はもう黙っていることが出来ず、電気の下でザラ紙の帳面と軟い鉛筆とを持出します。5Bの鉛筆はだいぶもう短くなったわ。大事にすっかり短くなっても、それを捨てずに持っているのは、楽しい処のあるものです。二十三日の晩は風がありましたね。夕方から夜になりかける頃、ガラス戸がなる位だったけれども、十時頃になったらば、風は落ちて、さえた月の下に、枯れた木の枝々が美しく見えました。
そちらでは高いガラス窓から月の光が差す時分、どんな景色が見えるでしょう。私は杉の木や、ひよっ子や、芝を見ました。
二、三日前、古い反古を整理したら、(抽出しの棚を又出して机の横に置こうと思って。)シャバンヌの女を描いた絵の葉書が出て来てよくみると、なかなか面白いものでした。背の高い肘掛椅子に裸の女が、その高い背にのんびり二つの脚をのばしてかけ、片方の肘掛に頭をのせ、片手を自然もう一方の肘掛にのせてくつろいでいる構図のデッサンですが、いかにもシャバンヌらしく、清楚で、よけいな男の感覚が付きまとっていなくて心持がいいものです。