Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.557 caratteri · 426 schermate
それというのは、どうもわたしがお祝いにあげるよりも、たっぷりまことに心のこもったおくりものを頂いているようで。
美しき異教の歌の一節は、わたしの肉体から生れたものではあるけれども。その歌のモティーヴをさずけられたとしたら、作者はやはりその啓示に感謝しないわけにはゆきません。小説の筋がきをお祝にしようと思っていたけれども、それはおやめにして、あの歌で代えます。その方がずっとふさわしいわ、ね。その上、生れてしまわない子について話しにくいと同様で、胎内にうごめいているものを早目に話し日の目に当てるのはどうも何だか変です。明日行くときに、多賀ちゃんが縫ってくれた暖かそうなどてら持ってゆきます。暖いようにと思って縫った心持を着て頂けたらと手紙にありました。何年ぶりかで、そんなどてらも召すのね。きっと暖かだろうと思います、そして、足もつめたくはおありにならないでしょう? こういう秋の季節の明暮、ほのかに足も暖いのは、ゆたかな和んだ気分です。
きょう、本棚いじっていたら小じんまりした小曲集がありました。勿論それはもうこの年月の間に幾度かくりかえして読まれたものではありますが、新しい気持でみると、又ちがった節々が目にもつきます、なかに人の心のあどけなさにふれたようなのがありました。