Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.557 caratteri · 426 schermate
一つ一つのこまかい情景さえ、春のある冬、という詩のディテールが私の生活というよりも生存にしみついているとおり、私のこころに刻まれていて、冷静にみられないのよ、多分。そしてそれは、そうだろうと、同情的に同感されるにしろ、大局には、やはりいく分愚かなことなのね。生活の様相の推移というものの苛烈さに対して、未練がましい気持であると申せましょう。あなたが僕にはよく分らないとおっしゃるのは自然ね。そして、自分に親近なものが、程度を超えてとり乱したりするのを見るのは、いい心持でないのも自然です。
私は、しかしあのひと以前に、自分から友達と思って生活全般で近づいたというひとがなかったでしょう? それも私としては弱点となっていたのでしょうと思います。まさか、仲よしな筈なのに、ひどいわ、という女学生の気でもないのよ。こういう面でも一つの修業をいたしたわけです。すべての修業がそうであるように、一つも甘やかされずに、ね。十分に自身の好意も憎悪も反省も判断もこきつかわれて。その収穫が、友情というものからの収穫であったということを学び、もうさっぱりして居ります。その気持は、前の手紙でかきましたとおり。