Classici giapponesi con furigana
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たまつきばのいちぐう
球突場の一隅
豊島 与志雄
Leggi 球突場の一隅 (たまつきばのいちぐう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.111 caratteri · 29 schermate
」
「君は一体おたかをどう思ってたんだい。」
「どうってそうきまった感情なんかあるものかね。ただおたかが居たんでより面白く球が突けたまでさ。」
「然しまだ妙な感情がずっと続くような気がするよ。僕は今は林が好きだ。」
「僕は一層嫌いだ。」
彼等は黙って十歩ばかりした。
「僕はずっとこの事のはじめから、」と松井は云った、「何だか神に離れていたというような気がする。僕の心は卑しいものに浸っていたような気がする。」
「そりゃあ君、女を失ったからだよ。」と村上は澄まして云った。
「そうかも知れない。」
然し松井は眼の奥に熱い涙が湧いてくるような気がした。その時村上は不意に、「おーう、」と通りのずっと向うまで響く大きい声を立てた。松井は喫驚して立ち留った。
「何だ!」村上の方から云った。
二人はそのまま黙ってまた歩き出した。空も地も凡てが深い夜の中に在った。