Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こはくのパイプ

琥珀のパイプ

甲賀 三郎

Leggi 琥珀のパイプ (こはくのパイプ) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.109 caratteri · 37 schermate

Aozora Bunko

私はその大胆さには全く敬服して仕舞った。

その中に夜も白々と明けて来た。

やがて松本は死体の方の調査がすんだと見えて、奥の間から出て来たが、私が側に居るのに目も呉れず、今度は居間の方を見廻した。私も彼の目を追いながら、いくらか明るくなって来た窓を見廻すと、気のついた事は隅の方の畳が一枚上げられ、床板が上げられていた。松本は飛鳥の様にそこへ飛んで行った。私も思わず彼の後を追った。

みると床板を上げた辺に一枚の紙片が落ちて居た。目敏くその紙片を見つけた松本は、一寸驚いた様子で、一度拾おうとしたが、急に止めて今度はポケットから手帳を出した。私はそっと彼の横から床の上の紙片を覗き込むと、何だか訳の判らない符号みたいなものが書いてあった。それに彼の手帳を見ると、もう紙片と同じ符号がそこに写されているではないか。

紙片の図

「やあ、あなたでしたか?」私の覗いているのに気のついた松本は、急いで帳面を閉じながら云った。「どうです。火事の方を調べてみようじゃありませんか?」

私は黙って彼について焼けた方へ歩いた。半焼けの器物が無惨に散らばって、黒焦の木はプスプスと白い蒸気を吹いていた。