Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
なんだか胸に悲しみがこみ上げて来ました。
「まあ/\この子は何をするのかと思ったら、踊りでお燥ぎかい。楽しい仲じゃないかいなって、ほ、ほ、むこうも蝶ちゃんにとって万更の相手ではないと見えるね」
母親の言葉も台詞のように調子づいて、ほく/\と上機嫌でした。
こういう所作を首途にしてわたくしは池上の寮へ移りますと、池上は大悦びで寮の家の自分がしょっちゅういる客座敷をわたくしに明渡すと言いますのを、流石に女のわたくしは遠慮しますと、縁側が鍵の手に曲っている小さい茶室造りの方へわたくしを宛がいました。例の下町の癖の略式好みの茶室で、座敷の中の炉に蓋さえすれば四畳半の間はそのまゝ住いにも使われます。壁に戸棚があり、縁側に御不浄場も取付けてあります。襖の次にちょっとした更衣の控室もあって、そこへわたくしは寝道具や鏡台を取寄せて、もはや生涯家を脱け出たつもりの仮りであるのか実であるのか行く末判らないこの世の住家を定めました。
学園なぞもう通う気になれません。池上もわたくしの寮から外出を悦びません。わたくしにしましても、自分を死ぬほど愛している葛岡が、別に絡まる永い因縁から年上の女教師に脅迫を以て結婚を迫られている。