Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
面白いのは、こういう黝んだ問屋の間に、汚点抜き、染め更えしの染物店が混り、そこのショウウヰンドウには、流行の子供の袖無しちゃん/\こが飾ってあるかと思えば義太夫用の裃が飾ってあります。張扇のようなもので台を叩き、拍子の間を取る音を混ぜて消防のきやりを稽古しているしもたやがあります。麻暖簾を狭く垂らして、二階に若い男女の笑い声の聞えるお好み焼屋や、粋なそばやと見えながら洋風の窓やポーチを取付けてあるので看板を調べてみると、それは茶房。撒き水のまだ溜り残っている行潦を、春の名残りの恋猫が足を気色悪るげに振って渡り過ぎる姿が、先き角の小学児童用品店の灯で、痩せさらばった影に匍います。
わたくしたちは、こういう横町を、曲る度びに、遠方の町の外れに必ず閃めく、明くてネオンの点っている大筋の通りを眺めやりながら、ところ/″\で問い訊ねて、どうやら瀬戸物町の池上の本宅の前へ出ました。訊ね返さねば判らぬ筈でした。誰も彼も瀬戸物町の本宅と呼び慣わしていますものゝ、だいぶ前から、その瀬戸物町は本町に併合され、本町が今日の町名でした。わたくしは、今まで池上とあれほど交際いながらもこの本宅の所在も店附も知らないのでした。