Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
「卵の雛が孵りましたのです」
と、私たちに告げると、ほく/\して「ちょっと失礼さして頂きます」と言い捨てさま、風呂敷を布くやら伏せ籠を用意するやらして、抽出しの中の雛子を外に移し出すのを、葛岡も面白がって手伝いまして、どうやら台所の土間の伏籠の中に雛子を納めました。刻んだ菜や、水を与えられると、籠の目を透くレモン色の小さい姿が激しく動くのが見え、田舎家の午前の無言の静けさは銀の蚤でも螫すように急に品よく可愛らしくざわめき立ちました。
立った序にとて、弟は茶を淹れかえ、今度は自分で新しく桶から出した山独活を鉢で勧めまして、なおも話の続きから私たちを逃すまじき粘りを見せています。
鼻から脳髄に香いは突き刺して、その爽かさは眼を見開かすほども強い山独活の漬ものでした。奥山の崖裾の雪がしずかに解けしもり、渓川となるその雫々の落つる姿に感じられそうな冷たさ浄らかさが身に染むような気がいたします。すっかり胡座をかいてしまった葛岡は、学園の作事部屋で、手作りの作物を吟味するように漬物を捻って「やっぱり自然のものは畑のものとは違うな」と感心していましたが、昨日からゆうべへかけての疲れが出たものと見えまして、そのあとはとう/\居眠りを始めました。