Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
蝶子おまえは知ってるかどうか知らないが、わたしの前身は幇間であって、その幇間の師匠というのは死んだが、滝廼家鯉丈という大師匠だった。日本ばし数寄屋町の花柳街に住み当時東京中で名うての幇間だった。普通のしもた家造りに住み、普通市民の服装をしてどこを探しても幇間という風はなかった。客と見れば妙な手つきをして妙な声を張り上げるあの輩の幇間とは較べものにならなかった。表通りの堅気な大店の旦那が一通りならない浮世の苦労をしたのち無事に隠居をして晩年の余技にいささか風流を弄んでいるという風格の人物以下には見えなかった。彼は客の旦那衆に対し物しずかに普通に話した。それでいて旦那衆は馥郁とした滋味と馥郁とした暖味とに包まれるばかりでなく、心の底から世間の用心のかを外ずして打ち解けられた。株屋の旦那が株の話で打ち解けようとして来るときには株の話で相手をし、弁護士が職業上の訴訟の話で打ち解けようとするときにはまたその方面の話で相手をした。その他、違った職業の人々がおの/\その望んで来る話題に於て満足ゆくよう応酬した。これ等を彼は何も専門的や具体的智識があって受け答えするのではない。