Classici giapponesi con furigana
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たはらしのはんざい
田原氏の犯罪
豊島 与志雄
Leggi 田原氏の犯罪 (たはらしのはんざい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.957 caratteri · 57 schermate
然し旦那、酒を止す方が早く死んじまいますぜ。火が燃えなくっちゃおしまいだ。燃えてるうちは大丈夫生きてるんだ。死人は冷っこいものですぜ。石のようだ。私はね、それは火が燃えてねえからだと思うんですがね。……ねえ旦那、先夜湯島に火事があったでしょう。豪気なもんでしたぜ。私は真先に駈け附けてよく見てやったですが、真紅な火がごーうとうなって、空まで燃えていましたぜ。あたり近所が皆真赤でさあ。風が吹いて真赤な火が渦巻いてるんだ。あんな威勢のいいものはありゃしねえや。」そして徳蔵は一寸首を傾げて考えたが、また云い続けた。「旦那は夕焼のした晩に酔っぱらったことがあるんですか。火事という奴はあれと丸で同じでさあ。あたりのものがぐるぐる廻ってるんだ。それがぱっと真赤になってるんだ。空に真赤な夕焼がしているんですぜ。空も地面も真赤になって渦巻いてるんだ。そして一度に燃え上ってる。どうすることも出来やしねえ。腕っ節の続く限り何にでもぶつかってゆくんだ。戦争なんかもあんなものかも知れねえ。」
徳蔵は一人で饒舌ってしまうと、急に口を噤んで、先刻出されたままの茶をぐっと飲み干した。