Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たはらしのはんざい

田原氏の犯罪

豊島 与志雄

Leggi 田原氏の犯罪 (たはらしのはんざい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.957 caratteri · 57 schermate

Aozora Bunko

田原さんは懶い表情をしてぼんやりまた茶の間に坐り込んだ。

「あなたは徳蔵のことばかり気にしていらっしゃるのですね。」としげ子が微笑みながら云った。

田原さんはそれには何とも答えなかった。

四時頃、徳蔵が巡査につれられて来てから一時間半ばかりたった頃、芝に使いに行った良助が帰って来た。田原さんは急に生々した表情をした。

「御苦労だった。暑かったろうね。」

良助は袴のまま其処に坐った。

「あの明晩こちらへ伺うから宜しくってそう仰言っていられました。」

「ああそうか、川口さんに逢ったのか。」

「はい。そして御馳走になって来ました。」

「それはよかった。まあ身体でも拭いて来るがいい。」

その時表の方の縁側で何か音がした。それをきくと田原さんは俄に陰欝な顔をして立ち上った。

良助はただわけもなく田原さんの後について行った。

徳蔵は上半身を起してぽかんとして縁側に腰掛けていた。

「どうだ気分は!」と田原さんは苛ら苛らしたような調子で尋ねた。

徳蔵はふり返って田原さんを見ると、急に二三度お辞儀をした。

「どうだ気分は?」と田原さんはまた尋ねた。

「いえもうすっかりいいんです。