Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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でんえんじょうちょうあり

田園情調あり

佐々木 邦

Leggi 田園情調あり (でんえんじょうちょうあり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9319 caratteri · 19 schermate

Aozora Bunko

「そうですね。何れ追々」

「僕、一つ面白いものを御覧に入れる」

と言って、神保君が虫の食った帳面を出した。

「何だね?」

伊達君が手に取って披いて見た。彦平旅日記とあった。

「先祖が伊勢詣りをした日記ですよ」

「珍らしいものだね」

「宿場で女郎屋へ引っ張り込まれると、必ず逃げて来るんだ。ナカ/\堅い」

「さすがに君の先祖だよ」

「引っ張られるのを待っている面々もある。一人々々家名で書いてあるから、誰の先祖か分る。参考の為めに回覧にしようと思って持って来た」

「僕が借りて置く」

「君の先祖は待っている組だよ。ハッハヽヽ」

伊達君が最近読んだ小説の話をした後、惣夫さんがせがまれて、

「大学時代に読まされた英語の小説で、感心したのがあるんだ。僕のところは川端で、裏から入るには橋を渡る。橋の少し上にドン/\がある。低いけれどやっぱり滝だから、一寸風雅を添えている。僕はあすこを通ると、ついその小説を思い出すんだ」

と語り始めた。

「誰の小説ですか?」

「作者は忘れた。内容もうろ覚えだ。ファーデナンドという小作の青年が地主の娘に恋をしたんだね。娘はその男が嫌いじゃないけれど、学問がないからといって断る。