Classici giapponesi con furigana
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おとこぎらい
男ぎらい
豊島 与志雄
Leggi 男ぎらい (おとこぎらい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8878 caratteri · 18 schermate
井上さんは何とも言わず、よたよたと梯子段を昇ってゆきました。
私は起き上って、体中、着物をはたはたとはたきました。それからまた、顔から首まで洗い、手を洗い、足も洗いました。胸がむかついてき、残ってるウイスキーを、やけに飲んでやりました。どこもここも、男くさくって、穢ならしいのです。そればかりでなく、妙に恐ろしくさえなりました。どんなことが起るか分りません。なにか真黒な怪しいものが、いつ襲ってくるか分りません。えたいの知れない厭らしい恐怖です。
私はウイスキーを飲んでやりました。何の役にも立たないかも知れないが、クマを檻から出して土間に放ってやりました。クマは土間を嗅ぎまわって、また檻の中にはいってゆきます。私はそれを蹴りつけてやりました。それから布団を引きずり出し、着物のまま頭から被りました。
表に二三人の足音がします。足音はうちの前で止りました。戸によりかかって、とんとん叩きました。
「もう寝たんですか。」
酔っぱらってると見えて、大きな声です。
「もう寝たんですか。」
とんとんと叩きます。
「美枝ちゃん、美枝ちゃん、ちょっと開けてくれ。僕だよ。」
こんどのは、倉光さんの声です。