Classici giapponesi con furigana
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がぼう
画舫
豊島 与志雄
Leggi 画舫 (がぼう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.863 caratteri · 22 schermate
杭州西湖のなかほどに、一隻の画舫が浮んでいました。三月中旬のことで、湖岸の楊柳はもうそろそろ柔かな若葉をつづりかけていましたが、湖の水はまだ冷たく、舟遊びには早い季節でありました。通りかかりの漫遊客が、季節かまわず舟を出すことはよくありました。けれども、いま、この画舫は、そうした旅客のものではなく、名所を廻り歩くこともせず、長い間湖心にただよっていた後、東の岸へ戻って来ました。
船着場へつきますと、画舫から、陳家の子供である姉弟の瑞華と文※(「王+奇」、第3水準1-88-6)とが、元気よく飛び出してきました。次に、上海から此処の別荘に来てる張金田が、肥え太った姿を現わしました。そしてあとがちょっととだえました。張金田は振向いて、舟の屋形の下を覗きこみました。
舟の奥から、静かな声がしました。
「ちょっと、片づけものをしまして、じきに参ります。子供たちへお約束の品を買って頂いてますうちに、お先に宅へ戻っておりますから……。」
そして張金田と二人の子供とは、町の方へなにか買物にやって行きました。舟には、子供たちの母親の陳秀梅と女中の※香とが残りました。