Classici giapponesi con furigana
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ぎもんのきんかい
疑問の金塊
海野 十三
Leggi 疑問の金塊 (ぎもんのきんかい) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.600 caratteri · 32 schermate
水色のアルパカの上衣にも、喞筒で注ぎかけたような血の跡が……。全くむごたらしい光景だった。
刑事は、倒れている若い男の横顔を照してみた。顔は血の気を失って、只太い眉毛と、長い鼻とが残っていた。歯を剥き出した唇は、泥を噛んでいた。――と、刑事が叫んだ。
「呀ッ。……これア、赤ブイの仙太じゃないか!」
赤ブイの仙太! 仙太といえば刑事たちが、さっき私に訊いたところの横浜の不良で、カンカン寅の一味なのだ。
「そうだ、仙太だ。すっかり顔形が違っている感じだが、仙太に違いない」
「誰が殺ったんだろう?」
二人の刑事は、そこで顔を見合わせると、意味あり気に、後に立っている私の顔をジロリと睨んだ。
「……」
仙太だってことは、お二人より先にこっちが知っていた。先刻あの悲鳴を聞いた瞬間に、「仙太め、南無阿弥陀仏!」と口の中で誦えた程だ。
「死んでいる。……とうとう殺られたのだ。」
「全くひどい。後頭部から背中にかけて、弾丸を撃ちこんだナ」
「銃声は聞えなかったが……」
「どこから撃ったのだろう」
刑事は踞ったまま、遥か向うの辻を透かしてみた。そこは水底に沈んだ廃都のように、犬一匹走っていなかった。