Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しろいつばさ

白い翼

宮本 百合子

Leggi 白い翼 (しろいつばさ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 2369 caratteri · 5 schermate

Aozora Bunko

然し、その彼方にいる彼女をどうして見失うことがあろう。雄鳩は、始めて雌を見たと思った時より、更に情熱のこもった歓びで、

「グウックー、グウックー」

と喉を鳴らした。彼は嬉しさと慕わしさとで脚を高くあげつつ鏡に近づいた。同時に向うからも近づく、如何にも見覚えある白い姿を見た。雄鳩はいつかの夜棲り木の上から雌を呼んだ時の通りの声で、親しげに軟かく彼女に呼びつづけた。愛のしるしに飽かず嘴で触った。たとい何だか様子の異ったものとなったにしろ、ここに雌はいた。彼はもう孤独でない。過ぎ去った夜々のように彼はここで、雌の隣りに冬の夜を眠るのだ。

雄鳩は出来るだけぴったり鏡の中の自分の影に身をすりよせた。彼の不思議な妻は冷たかった。――非常に冷たかった。ああ。然しそれは何でもないことだ。雄鳩は、瞼を閉じた。彼はもう一度雌に寄りそいなおしてから、首を羽交の間に埋めた。