Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しろいみち

白い道

徳永 直

Leggi 白い道 (しろいみち) di 徳永 直 (とくながすなお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.169 caratteri · 36 schermate

Aozora Bunko

「ハーイ、わしがおふくろは専売局の便所掃除でござります。どうせ身分がちごうけん、考えもちがいましょうたい」

高わらいしながら、そのくせポロポロ涙をこぼしている小野をみると、学生たちも黙ってしまう。それで、そのつぎにくる瞬間をおそれて三吉が、小野の腕をささえてたちあがると、

「なにをいうか、労働者の感情が、きさまらにわかると思うとるかッ」

すごい顔色になって、肩ごしに灰皿をつかんでなげようとする。津田と二人で、それを止めて外へでると、小野はこんどは三吉にくってかかる。――な、青井さ、きみァボルな? え、何故だまっとるな?――。それからとつぜん、三吉の腕にもたれてシクシク泣きだす――。ハーイ、わしがおふくろは専売局の便所掃除でござります。ハーイ。――

小野が上京したのはそれから間もなくで、三吉にもだまって発ってしまったのであった。小野のうちは父親がなく、専売局の便所掃除をしていた母親は――まるで不具もんみたい、二十七にもなって、嬶ァもらえんと――といってこぼしていた。三吉と同じように、小野も失業していたが、上京してしまった一ばん大きな原因は「ボル」が侵入してきたからであった。