Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しらねのふもと

白峰の麓

大下 藤次郎

Leggi 白峰の麓 (しらねのふもと) di 大下 藤次郎 (おおしたとうじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.238 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

朝早く出れば夕方には帰れようというので、七日の朝、私は宗平を連れてそこにゆくことにした。

晴れた日であった。写生箱画板など、いささかな荷物を宗平の背に托して、早川に沿うて下流へと歩を運んだ。道もせに咲き残っている紅の竹石花、純白の野菊、うす紫の松虫草などとりどりに美しい。上湯島の少し手前から河原に下りる、山崩れの跡が幾カ所かあった。道は平ではない。早川の水が堰かれて淵を成すところ、激して飛瀑を成すところ、いずれもよき画題である。長い釣橋を右に見てそれを渡らずに七、八丁もゆくと、黒い黒い杉の森が見える農家の屋根、桑の畑、水車、小流、そこが下湯島の村で、石垣に沿える小道を通って、私どもは宗忠の家に立よった。

下湯島の村は、数年前全戸殆ど火の禍をうけたため、家は皆新しい。上湯島には萱葺の屋根多きにここは板屋に石を載せて置く。家は小さいが木は多いから、さすがに柱は太い。村というても平地は殆どないが、やや緩やかな傾斜地に麦が作ってある。畑の中には大きな石がゴロゴロしている。家の廻りには鍬の把、天秤棒、下駄など、山で荒削りにされたまま軒下に積まれてある。

宗忠は身仕度をして来た、なにか獲物もあろうというので一挺の銃も持っている。