Classici giapponesi con furigana
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はくもくれん
白木蓮
豊島 与志雄
Leggi 白木蓮 (はくもくれん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.039 caratteri · 24 schermate
「いまさら芸者に出すわけにもゆきませんし学問をさせるわけにもゆきませんでしょう。芸事と言えば、あの通りあっちこっち生噛りですからね。」
桃代はウイスキーをぐっと飲んで、じれったそうに言う。
「お上さんて、喜美ちゃんのこととなると、意気地がないわね。今のままでいいじゃないの。」
「そうでしょうか。」
「そうにきまってるわ。ここの娘さんでいいじゃないの。」
「そりゃあね、わたしがこれから十年も二十年も生きてるとすれば、それでいいんだけれど、この節、へんに胃が痛むんでね……。」
お上さんの胃が痛むのは、いつものことで、よく知ってる者には口癖としか聞えない。私は笑いだした。
「胃が痛むぐらいで、死にゃあしませんよ。」
だが、そのあと、私は坐り直して言ったものだ。
「たとい死んでも……お上さんが今日亡くなっても、明日亡くなっても、喜美ちゃんのことなら、僕が引き受けますよ。喜美ちゃんとなら、僕は結婚してもいい。妻が亡くなったあと、僕は断じて再婚しないつもりだったけれど、喜美ちゃんとなら結婚してもいいな。但し、ここの養女じゃあ嫌ですよ。ただ、喜美ちゃんとだけ……。」
私は真面目だかふざけてるのか、自分でも分らなかったが、桃代も私の調子に乗ってきた。