Classici giapponesi con furigana
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しらゆきひめ
白雪姫
久生 十蘭
Leggi 白雪姫 (しらゆきひめ) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.723 caratteri · 21 schermate
四
四
高地サヴォア県の裁判所で、阿曽の公判がはじまると、岩本と南仏銀行の川瀬練三郎が特別弁護人の申請をして、ボンヌヴィルに行った。
パリにいる画描きの仲間は、誰も一度は、ハナに手を焼いた苦い経験があるので、気をそろえて阿曽の後おしをした。
あん畜生、いい気になって、チョコチョコしたもんだから、落っこちやがったんだよとか、ハナはハナらしい死にかたをするとか、勝手なことをいっていたが、阿曽も厄を落して、せいせいしたろうというのが、みなの一致した意見だった。
ハナは、父は日本人だったなどといっているが、それがそもそも大嘘だった。ヴォジュの山奥から、一文なしでパリへ飛びだしてきた田舎の不良少女で、脳味噌もなければ肉体もない。いささか気がへんで、顔はきれいだが、削ったような平ったい胸をしている。フランス人の画描きに相手にされないものだから、日本人そっくりの顔を利用して、ひとのいい連中をたぶらかすことを考えついたものらしい。ハナという名は、ロダンのモデルだった「お花さん」から拝借したのだろうが、はじめっから、嘘と知れるところがご愛嬌だった。
身体つきがすらりとして、純潔そうなやさしい風情があり、伏目になってものをいうところなどは、誰にも、おやと思わせる。