Classici giapponesi con furigana
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しらゆきひめ
白雪姫
久生 十蘭
Leggi 白雪姫 (しらゆきひめ) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.723 caratteri · 21 schermate
バカ長いザイルだったら、やる気があればやれるというのと、やれないというのと半々で、簡単にはとけあえぬむずかしい問題になった。
被告はハナを愛していなかった。むしろ憎んでいたという検事の論告にたいして、阿曽は、こんなことをいったそうである。
「愛してはいなかったが、捨てようと思ったことは、一度もありませんでした。内面の衰弱で、生活の適性のないハナのような女にとっては、愛情は足りないもののすべての補いで、それがなければ、生きて行けないことが、私にわかっていたからです」
「それで、今はどうなんだね。手のかかるやつが死んでくれて、やれやれと思っているんじゃないのか」
「ひどい女でしたが、善も悪もひっくるめて、それが人間というものなので、死んでくれてよかったなどとは、いちども思ったことはありません。それどころか、ハナに出逢わなかったら、人間の玄妙さというものを、感じることがなくすんでいたろうと思います」
阿曽とハナの愛情をめぐって、検事と弁護士の間でとりかわされた論争は、それだけでも非常に興味のあるものだが、ここでは触れない。
一年近くゴタゴタしたすえ、証拠不充分で起訴猶予になったが、阿曽はつぎの年の夏、山岳局の許可をもらって、ハナの落ちたクレヴァスのそばに小さな山小屋をたてた。