Classici giapponesi con furigana
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すかいさんきこう
皇海山紀行
木暮 理太郎
Leggi 皇海山紀行 (すかいさんきこう) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.720 caratteri · 24 schermate
しかるに余り下り方が激しいので疑わしくなり、とにかくもう少し高い方へ登って見ることにして、かなり急峻な斜面を百米も登ると頂上らしい所に出た。潮のようにさしひきする霧の絶間から眺めると、左の方に尾根らしいものが続いている。これこそ国境山脈に相違あるまいと断定して、右即ち北に向って尾根上を辿り出した。何しろ二人とも磁石を持っていなかったので、さっぱり方角は分らず、今までの道筋を頭の中に描いて、それによって方向を判断するより外に方法はなかった。最早暮れるに間もあるまいと思うが、時計を出して見る間も惜しく足にまかせて急いだ。尾根の上は黒木が繁っているので笹が少く、大に歩きよかった。ある場所では明瞭に路が認められ、またある場所では焚火の跡などもあった。峠の道もさして遠くはないはずと急ぎに急いだが、一時間以上歩いてもまだそれらしきものにぶつからない。足もとはしだいに暗くなってたどたどしくなって来た。先へ行った藤島君が明るい所へ出ましたという。自分らは突然暗い黒木立の中から明るみへ抛り出されたように感じた。木を伐り払った跡である。日当りがよいので笹が人丈より高く延びている。