Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
とうなん
盗難
宮本 百合子
Leggi 盗難 (とうなん) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6371 caratteri · 13 schermate
小さい妹の、激しい泣き声に目をさましたのは、彼れ此れもう六時であった。
三時頃に一度お乳を遣った丈だったので、空おっぱいをあずけたまま、先ぐお乳を作りに配膳室へ出て行った。
寝間着のお引きずりのまま、二人が腫れぼったい目にもう強過ぎる日光で、顔をしかめながらお湯を沸かしに台所へ出ると、中央の大テーブルの真中に妙なものが、のっかって居る。
いつも、一番奥の部屋――私共の床のある所の隅に置いてある筈の桐の小箪笥が、すっかり掻き廻した様になって居るのである。
三つとも引き出しは抜きっぱなしになって、私共がふだん一寸拾ったボタンだの、ピン、小布などの屑同様のものを矢鱈につめこんであるのが、皆な引っぱり出されて、あかあるい日の中に紙屑籠を引っくり返した様になって居る。
「まあどうしたんだろう、
誰が此那がらくたを引っくり返したんだろうね。
と云って、小さい紅絹の布や貝ボタンをひねくりながら、若しかすると母が、夜中に気分でも悪くして、薬をさがしたのじゃあるまいかなどと思って見た。
けれ共、どうもそれにしても妙である。
寝室にはスタンドがあるし、それで暗すぎるなら、食堂にだって、その次の部屋にだって、いくらでも電気がつくのに、何もわざわざ此那所までえっちらおっちら持ち出さないでもすむにきまって居る。