Classici giapponesi con furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Leggi 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.803 caratteri · 213 schermate
こう思料深く云ったのは、四十がらみの大男、すなわち大黒の次郎である。
「何はともあれ走ろうぜ」こう云ったのは髯面の男、「突っ立っていたって仕方がねえ」こいつは毘沙門の紋太である。
「そうともそうともさあ行こう」弁天の松代は意気込んだ。「思案している時じゃアない。桔梗様には処女だ。一刻半時の手違いで、取り返しの付かない身ともなる。それこそ泣いても泣かれない。それにしてもさ、一体全体、どいつがこんなことをしたんだろう。七福神組を出し抜いて、途方もない真似をしゃアがる。と、云って怒ったってはじまらない。見付け出すより仕方がない! ……さあさあお組みよ、手組輿を!」
二十九
声に応じて六人の男は、颯と片手を差し出したが、肩と肩とをすぐ組んだ。ガッシリ手輿が築かれたのである。
「お乗んなせえまし。さあ姐ご!」
「あいよ、あいよ、ソレ乗るよ」
裾を翻めかすと燃え立つ蹴出しだ、火焔が立つかと思ったが、弁天松代ちゃアんと乗った。
「急いでおやりよ! さあおやり!」
「おっと合点」
「エッサ、エッサ」
こんな場合にも愉快そうに、こんな場合にも仲がよく、月光を蹴散らし走り出した。