Classici giapponesi con furigana
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
Leggi 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.803 caratteri · 213 schermate
だがその地質はひどい物で、継接をした襤褸なのである。
船の形も珍しかった。と云うよりそれは筏なのであった。あの木曽川とか富土川とか、山間の河を上下するために、山の人達は丸太を組んで、堅固の筏を作るものであるが、その船もそういう筏なのであった。
それにしても、速力の速いことは!
筏船は駸々と走って来る。歌のような帆鳴りの音がする。泡沫がパッパッと船首から立つ。船尾から一筋水脈が引かれ、月に照らされて縞のように見える。
「嘘をお云いよ、嘘をお云いよ、何んの鯱丸がパッチリコと、眼なんか開いているものか。居眠りをしていたに相違ない」老婦人はこんなことを云い出した。「その証拠には三角の帆が、ダラリと下がっているではないか」
「おや」と鯱丸は吃驚りした。「向こうを向いている癖に、こっちのことが解ると見える。背後に眼でもあるのかしら。小気味の悪い婆さんだよ」
優れて美しい容貌にも似ず、鯱丸は口が悪いのである。
ところが老婦人の性質は、寛大で剽軽で磊落だと見え、一向それを咎めようともしない。
「背後にもあれば前にもある、足にもあれば手にもある、胸にもあれば背中にもある、妾は体中眼なんだよ。