Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Leggi 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.803 caratteri · 213 schermate

Aozora Bunko

托鉢に行くのだとも思われたが、そうでもないようなところもある。規律はいかにも整然としていて、女軍のようなところもある。そういえば武器さえ貯えている。

今こそ秩父の山中にいるが、以前には信州や上州や、美濃や飛騨にもいたそうである。

わけのわからない団体なのであった。

五十五

そこで鯱丸に訊いたのであった。

ところが鯱丸の返辞たるやまことに、簡単なものであった。

「人里の人間を憎んでいる、尼さん達の集まりなので。時々行衛を眩ますのは、人里へ出て行って掠奪をやるので。そうしてお師匠さんの素性はといえば、謀反人の血統だということなので」

こう云われていよいよ桔梗様には、山尼の性質が解らなくなった。

しかしそれよりも桔梗様にとっては、一式小一郎の身の上が、心にかかってならなかった。芹沢の里で別れて以来、絶えて消息を聞かないのである。死んだであろうか、生きているだろうか? その点さえも心もとない。

それより何より桔梗様には、小一郎が恋しくてならなかった。自分はこんな山の中にいる。恋人小一郎の行衛は知れない。もう一生逢えないかもしれない。これが悲しくてならないのである。