Classici giapponesi con furigana
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ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
Leggi 禰宜様宮田 (ねぎさまみやた) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.662 caratteri · 68 schermate
平らな路の間だけに、大きな花崗岩のロールを転がすことになった。
その日はもう大変にいい天気で、このごろにない暖かな日差しが朝早くから輝いて、日が上りきるとまるで春先のようにのどかな気分が、あたりに漂うほどであった。
一区切り仕事を片づけた禰宜様宮田は、珍しい日和りにホッと重荷を下したような楽な心持になって、新道のちょうどカーブのかげに長々と横たわりながら、煙草をふかし始めた。
久振りでいい味がする。
後から差す日は、ポカポカと体中に行き渡って、手足や瞼が甘えるように気怠るくなる。
見わたすと、彼方の湯元から立ち昇る湯気が、周囲の金茶色の木立ちの根元から梢へとほの白く這い上って、溶けかかる霜柱が日かげの叢で水晶のように光って見える。
仲間達の喋る声、鍬の刃に石のあたる高い響などが、皆楽しそうに聞えて来る。
禰宜様宮田は、何ともいえずのびのびとした心持になって来るとともに、また自分の心の奥にある露の雫のようなものへ、自分のあらいざらいが吸いこまれて行くような気がし出した。
ぼんやり眺めている眼には、すべての物象が一面に模糊としたうちに、微かな色彩が浮動しているように見え、いろいろの音響は何の意味も感じさせないで、ただ耳の入口を通りすぎる。