Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(一) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 246.214 caratteri · 495 schermate
また、院政という歴代にわたる厄介な二政府式の弊も廃して、天皇一令のむかしに復元されたので、「……まず、これで」という御安息やら、閑居のおん空しさなども、手伝うてのことと、侍側や蔭の女房たちは憂いもなくお見上げしている。
どれも当っていなくはない。
けれど、父皇の老いの影や、過去半生の真の御苦労さなどをよく知る者は、やはり御子の後醍醐に如く君はなかった。
明け暮れ、北条氏という姑に、いじめ抜かれたためよ。
――もし世に、幕府というものがなかりせば。
今も今とて、父子対面の賀の御座に向い合われると、御子のみかどには、父皇のおやつれが、すべて対幕府の御心労にあった果てと仰げて、いきどおろしく、うら哀しく、じんとお胸にせまるのだった。
いきさつは、かんたんでなく、また朝幕の間にわだかまる禍根も古い。
「…………」
つねには、なかなかお会いの折とてないので、後宇多法皇にも、とつ、おことばも、すぐにはなかった。
香染のおん衣、おなじ色のみ袈裟、まき絵の袈裟筥をそばにおかれ、寝殿中央に御座あって、まんまえの廂の玉座に束帯低う“御拝ノ礼”をとられた天皇のおすがたを、ただじっと見まもっていらっしゃる。