Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(一) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 246.214 caratteri · 495 schermate
なにしろ、妙な会である。
時流的なばさら遊びが目的の会なのか。学問討論が中心か。それとも、これは偽装で、べつに意図するもののある秘密の結社なのだろうか。
ほどなく、人々の間に、
「お。見えられた」
と、ささやきが流れ、水鳥亭の広間には、この秋の日に、さらに一色彩を加えたような明るさがうごいた。
「やあ、遅くなりました」
声も、ほがほがと、よく透る。
見れば、いま遅れ走せに会場に入って来た凛々しい若公卿がある。
眉目清秀とは、この人のことか、年ごろ二十七、八。いやいや、そんな風采を、再びここで述べる要はなかった。読者は思い出して欲しい。
かつて高氏が、忍び上洛の帰途、淀の川舟のうちで乗り合せた一見すこぶる異彩な若公卿があったことを。
後日には、高氏も名を知ったが、あの淀川舟で、乗合いのちんぴらどもをたしなめ、彼らの杯で酒を痛飲しあったり、また、船中の男女の徒然をとらえては、時世を慨嘆し、りんりたる弁で演舌したなどの行為は、まことに公卿にも似合わしからぬ態だったが、その人こそ、今日の“文談会”に姿をみせた、この前ノ大内記、日野蔵人俊基なのだった。
「おそかったの、蔵人どの」