Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(七) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 330.262 caratteri · 662 schermate
「お上のみこころを和らげて、仰っしゃるような、公武一和にまろく治めてゆきたいとのお考えが実ならば」
「いや、ありがとうぞんじまする。直義の処置は、よくお胸をふくんで、いたしましょう」
「女の差し出で口には似ますけれど。わらわは疾くより内裏にあって、足利殿へは、よそながらお肩入れしていたつもりではありまする。それも力およばず、むずかしい事態となって、敵味方となり別れ、お上にも、このようなかなしいお立場とはなられましたものの」
「なにかと、以前のお誼みなど、忘れてはおりません。されば、こうなりましても、御一統をみじめにはいたしますまい。ご安心なされませ」
「尊氏どの。……なにぶんとも、たのみますぞえ」
と、廉子は、いちばん言いたい所の哀訴を、女の情にこめて言った。
もう四十路にちかいはずの准后ではあるが、蠱惑ともいえる艶な美はどこにも褪せていなかった。こんな廃宮のうちにいて、囚われの主上に侍していながらも、彼女はその身だしなみをくずしていず、むしろあたりが荒れているだけに一そう妖しいまでの皮膚の白さとこの世の人とも見えぬ粧いとを、きらめかせて見せるのだった。